MicrosoftのGitHub買収がもたらす衝撃。これから何が起きていくのか?
GitHubといえば、リポジトリ管理のリモートサービスとしてはもちろんだが、OSSの砦というイメージがある。事実多くのOSSがGitHubで管理され、発展を遂げてきている。
米Microsoftが米GitHubを買収することで合意に達したと、米Bloombergが6月3日(現地時間)、複数の情報筋の話として伝えた。早ければ4日にも発表されるという。
これからどんな展開が起こるのだろうか?
背景にあるもの
もう一つの根拠は、米上院で可決された大企業優遇大幅減税(いわゆるトランプ減税)により、MSには少なくとも1300億ドル(約14兆円)の余裕が見込めること。
事の発端はこの減税効果による財政の余裕部分にもあるのかもしれない。
減税効果は大きな企業ほど大きい。
マイクロソフトの14兆円という金額はちょっと普通の感覚を超える数字だ。
そして今回の買収は
8000億円・・・
もう一般の感覚では何も考えられなくなる数字だ。
過去3年間の買収劇
もちろん予算があるから買収という単純な流れではないが
ここ3年間でマイクロソフトが買収した企業は多くSkypeやLinkedInなどの大きなサービスも呑みこんできている。
そして今回のGitHub。
その衝撃はあまりにも大きい。
サービス体系に変化はあるのか?
多くのユーザが気になるのはこの部分だと思う。
有料のプランは別にして、GitHub利用者にとって無料使用している恩恵、特にOSSに関してはかなり大きい物がある。 オープンである限り、無料で利用しつづけられるGitHubのサブスクリプションに変更がある場合は、サービス利用者の離脱も考えられる事になる。
ただ、現時点ではそういった点は考えにくい。
※追記:後日確認した所、Github上にマイクロソフトのヤツのロゴが!
クリックすると今回の買収に関するGitHubサイドの喜び(?)のメッセーを見ることが出来ます。
オプションとしてのサブスクリプションが増える可能性
少し前にマイクロソフトのイベント de:code 2018で
リウソン氏が続いて紹介したのは、Microsoft Azure上でiOSやAndroidアプリケーションのビルドを可能にする「Visual Studio App Center」とGitHubを連携した「Visual Studio App Center + GitHub」だ。モバイルアプリ開発におけるアプリのビルドやテスト、デプロイの実行をGitHub上で可能にする。GitHub Marketplaceで開発用ツールとして「App Center」が提供される形だ。
という内容が発表されていた。
マイクロソフトとGitHubのサービスを連携することで、様々なシステム開発やアプリケーション開発の利便性をあげるサービスがこれからどんどん登場すると予想される。
規模や内容によって、月額制が導入されたとしても利用したいベンダーは多そうだ。
マイクロソフトのクラウド環境 Azureへのフィードバック
もうひとつ、マイクロソフトが持つクラウド環境Azureへのフィードバックも随時行われるはずだ。GitHubとのインテグレーションがよりスムーズになり、場合によっては直接GitHubのリソースにアクセス可能という事も考えられるかもしれない。
GitHubが開発の中枢をになってきたサービスだけに様々なポジションでマイクロソフトが有利に動ける可能性が出てきた。
対立する企業やサービス
単純にリポジトリ管理という意味であればBitbucketなどがあるし、クラウドサーバはAWSがまだまだ強力だ。
しかし、今回GitHubの買収で、マイクロソフトは開発からサービスの公開にいたる全ての道筋をワンストップで提供できる力を手にいれる事になる。
そして、今回の、このような動きはこれからもマイクロソフトが大きなサービスを呑み込んでいく可能性を示唆している。
社内でも似たようなサービスを開発しているが、戦略の一旦として大きくなった他社サービスを取り込むという流れはこれからも変わる事はないだろう。
例えばSlack(2016年にも買収騒動があった)などのコミュニケーションツール、Heroku(現在はセールスフォース傘下)などのPaaSなども視野に入っているかもしれない。