GDPR,Appleのアドブロック これから訪れる不自由なネットの時代とは? ネットの制約、ネットルールの増加と進化
2015年のまとめ記事を今読み返すと、ネットに感じる不自由は今に始まったことではないという事がわかる。
2005年以降、ネット人口は拡大し利用者の増加=ブログなどの情報発信の増加とともにネット世界が忙しくせわしない物になり、不自由さは増しているという話。
これを言い出すと不正な利用やダークウェブと呼ばれる物も含め何が自由で、何が不自由かの定義は難しいかもしれない。
現代社会よりも原始人だった時代がルールは少ない分自由だという考えかたもある。
そう、問題はルールが増加してきている事だ。
今年増えたネットルールの流れ
そしてGDPR
何ならChromeの安全なウェブ利用のための様々な施策
そして局地的だが特定サイトの遮断
基本的にはルールの整備、そして問題が起きた後の制約の増加がパターン化してきている。
ネット世界が現実世界と同じように法整備され、モラルが持ち込まれ一般常識、良識の独自ルールが広がってきていると考えれば、この流れはさほど悪くない物だ。
最終的には安心して一般的にネットを利用できるようになるという恩恵が訪れるはずだが、このパターンの流れは現実社会と同じような事も起こると予想される。
つまりは過剰なルール、極化した制約、独自すぎるルールなどなど・・・
中でもGDPRの動きは面白い
正直GDPR自体が面白いという意味ではない。
欧州だけ先行して、この流れを作ったという点だ。
ネットさえつながっていれば見えてしまうサイトの現状に完全なローカリゼーションが発生したのだ。
この動き、程度の違いならば差異を吸収すればいいが、ルール自体が異なるローカリゼーションが複数生まれてしまうとどうなるだろう?
これは現実世界のコカインの扱いのようにシビアだ。
日本では違法、アメリカでは州により違いがある。
物理的に遮断できるからこそのローカリゼーションだ。
ネット世界でこのようなローカリゼーションが激しくなると想像しただけで、どのように分離し取り扱うのか興味深い。
流れ的にロシアや中国、アメリカなどはGDPRに変わる物を独自規定する可能性は高い。そして日本も右にならえで規定を策定するだろう。
中国のネット検閲
中国ではネット検閲が当たり前で、日本ではあたりまえの一部サービスも制約を受けている。
また
2017年6月1日にインターネット安全法(中国語:中華人民共和国網絡安全法)が施行された[9][10]。この法律は、2015年6月以降数回に渡り全国人民代表大会常務委員会において審議が行われ、2016年11月の第12回全人代常務委員会第24回会議で可決[11]されたもの。インターネットを利用したサービスの品質を中国が定めた基準に適合させると同時に、中国国内で収集し作成した個人情報と重要データを中国国内で保存すること、海外に持ち出す際は中国当局審査を受けること、インターネット・サービスが国家の安全に影響を及ぼす可能性があるときは当局の検査を受ける必要があること、などが定められた
明確に法律でインターネット安全法などが制定され、条件によっては検査をうける必要なども明記されている。
もちろん抜け穴やシステム的な問題はあるだろうが、ルール的には完全分離、独自ルールが適応されている事になる。
独自ルールの極化、グローバルネットの分割
EUではないが、ネット世界もそのうちルールだけでなく、物理的にも完全分離や遮断が行われるようになるかもしれない。
SD-WANのようにサーバやLANのコントロールネットワーク自体を仮想化するという流れが広がっている事を考えると、あとは整備やルールの問題でネット世界を国やグループ別に分割する事は可能になるかもしれない。
ネットパスポートのような存在が登場するのか?
これは行き過ぎの考えかたかもしれないが、現実世界ではアメリカの風景を見たければ物理的に移動し、パスポートの発行なども必要になる。
同じように他の国のネットワークに入るにはネットパスポートが必要みたいな時代がくるのかもしれない。
原始時代と現代社会の違いは文化の違いだけでなく社会を制定するルールの増加とも言える。
そしてそのルールは法律的な物だけでも(六法全書の厚みを想像してほしい)数が膨大で、国によって違いがある。
もちろん数年でこのようになるとは思えないが、これからのネットをとりまく環境のルールはさらに増大し、まるで現実社会と同じような現象が起きてくる可能性は否定できないだろう。